資格を取得したり、勉強会や研修会に出席して知識を増やしたりと、看護師がスキルアップする方法はさまざまですが、セラピースキルを身につけるのもスキルアップの1つの方法です。セラピーとは手術や投薬などの方法を用いずに辛い症状、不快な状態を改善する方法です。対話を通して治療を行う心理療法、アロマセラピーやアニマルセラピー、マッサージや鍼(はり)など物理的な要素を利用して治療や緩和を行う物理療法の2種類に分けられます。さまざまなセラピーが存在しますが、看護師にぜひおすすめしたいのはアロマセラピーのスキルです。

たとえば、患者やご家族の苦しみを和らげる緩和ケアにアロマセラピーを取り入れている医療施設が増えつつあります。精油を用いてマッサージをするアロマセラピーによって、患者の痛みを和らげ、むくみを改善し、血流改善による不眠を解消し、呼吸器の問題や倦怠感などさまざまな身体症状を改善、緩和する効果が得られます。ヨーロッパでは12〜13世紀ころから精油の香りを治療に用いているように、精油の香りにも効果があります。身体の不調だけでなく、不安感や落ち着きを和らげ、リラックスさせるという心理的効果もあると考えられています。アロマセラピーのスキルを身につけ、看護ケアに役立てるため、民間資格を取ることができるでしょう。病棟看護師の場合、時間的な余裕がないかもしれませんが、オンライン講座や通信講座で学べるスクールを活用することができます。